勝どき作文教室の生徒さんの作品やレッスンの内容をご紹介します。
作文レッスン「身のまわりの物を説明しよう」
身近なものを観察して説明文を書くレッスンを紹介します。
クイズ「何が入っているでしょう?」
レッスンはクイズから始まります。袋の中に入っている物の形や大きさ、色、用途を細かく伝えて、何が入っているかを当てるゲームです。これは「描写」の練習になります。
まずは講師からクイズを出します。
「銀色」「数本のワイヤーを曲げてできている」「気球のような形」「持ち手がある」「料理に使う」「メレンゲを作れる」といったヒントを出していくと、子どもたちから「コイン?」「スプーン?」など答えの候補が上がります。
答えは「泡立て器」。頭には思い浮かんでも、名前が思い出せなかった子もいて悔しそうです。
今度は子どもたちに、一人ずつ問題を出す係になってもらいます。これはとっても盛り上がります!
これから取り組む作文のイメージを持ってもらうために、見本となる作文を音読します。先ほどクイズで使った「泡立て器」をテーマにしたオリジナル教材です。
今度は自分で説明してみよう
さて、説明の練習をして、説明文のイメージを持てたら、いよいよ作文です。形や大きさ、素材などメモをとってから作文に取り組みます。
何が子どもたちの心にヒットするかわからないので、さまざまな題材を持っていきます。たくさんの題材の中から子どもたちに選ばれたのは、以下のような題材です。
・アルミネットスポンジ:とても人気。角度を変えるとキラキラ光ります。
・和風ドレッシング:未開封のもの。具材の描写が面白いのだそうです。
・ティッシュペーパー:外側と内側で素材が違って、観察しがいがあります。
・十円玉:なじみのあるものですが、何が描かれているか観察したことがある人は、少ないのではないでしょうか。
ほかにも、自分の持ち物の中から「シャープペンシルの芯」「ふせん」「戦艦」を書いてくれた子もいました。自分で選んで観察するので、意欲的に取り組めます。

作文レッスン「ハーブティーで身のまわりのものを調べよう」
マロウブルーという紫色のハーブティーを使い、身のまわりのものの性質を調べて、作文に取り組みました。
マロウブルーは中性だと色が変わりませんが、酸性だと赤っぽくなり、アルカリ性だと青っぽくなります。掃除などに使う「クエン酸」と「重そう」をそれぞれマロウブルーに入れてみます。クエン酸は酸性なので、マロウブルーは赤っぽくなります。反対に重そうはアルカリ性なので、マロウブルーは明るい青色に変化します。
自由に実験をするから飽きない
レッスン冒頭では重曹とクエン酸を使って見本の実験をします。色がすばやく変化する様子に、子どもたちは俄然興味を示してくれます。
実験の材料には、レモン汁や炭酸水、梅干し、台所用洗剤、砂糖、小麦粉などを用意しました。子どもたちには5〜6つのプラスチックカップにマロウブルーをに入れて渡し、材料を自由に選んで実験してもらいます。
「入れる量を変えたらどうなるかな」
「何を入れたらそんなに青くなったの?」
子どもたち同士でも声をかけ合いながら実験をして、結果をメモします。材料を自由に選ぶるので、一人ひとり違う結果が出るのも面白いところです。複数の材料をまぜて実験をするなど、工夫する姿も見られます。

「発見」が目の前にあれば書ける
作文に取り組むとき、生徒さんから「書くことがない」という言葉が出ることがあります。そうしたときは「書くこと」=「伝えること」ができるまで質問を重ねます。
ただ、観察のレッスンの場合、「書くことがない」という言葉はほとんど聞こえてきません。新たに発見したことが目の前にたくさんあるからです。「自分だけが発見したことは、他の人にも伝えたいから必ず書いてね」と声をかけると、張り切って結果を書いてくれます。

生徒さんの作品「柿の観察」
まるごと一つの柿と、断面を観察できるよう半分に切った柿を配って、自由に観察してもらいました。
「学校や家では注意されそうな観察方法でも、周りの人に迷惑をかけなければ大丈夫だよ」。そう伝えると子どもたちは柿を転がしてみたり、夕日の色と比べてみたり、持っている文房具で突いてみたりといろいろな行動を始めます。
自由に観察してもらうのにはわけがあります。作文が書けない理由の一つは「書きたいことがないから」です。これはとても深刻な問題で、多くの子が文章表現やスキル以前につまずいています。このためレッスンの前半は書きたいことを引き出すために使います。

書きたいことができれば、筆が進む瞬間がやってきます。柿の観察のレッスンも、途中までは冷や冷やするほど賑やかでしたが、最後の5分間は鉛筆が走る音だけが聞こえていました。
生徒さんの作品を二つ紹介します。今回のレッスンでは、作文を書いた時間は15分程度です。
※読みやすさの観点から、改行や読点などの調整を行っている場合があります。
生徒さんの作品①
今日はかきのかんさつをしました。
色はオレンジ色で、中の果実は白です。さわった感じはまっすぐなところはかたく、角はやわらかかったです。
へたはこい緑色のところは実はくっついておらず、黄緑色のところは実にくっついていました。ぼくがかんさつしたかきは、本当はたねができるところはとうめい感がありぷにぷにでした。もしぼくがこのかきだったら、子孫を残せなくてとても悲しいです。
シャーペンのしんをかきに落とすと、細いところだけささります。シャーペンのしんをのばして落としてみるとささりますが、ぬくとしんがなくなっています。
色は夕焼けとくらべてみるとちょっとこくあざやかです。断面も見てみると、しんを中心にすすきみたいにもようが広がっていました。
【コメント】観察したのは種なし柿でした。本来種がありそうなところが「とうめい感がありぷにぷに」していたというのは素晴らしい着眼点です。さわったり突いたりと自由な発想で観察しています。夕日に柿をかざして「くらべてみるとちょっとこくあざやか」と表現してくれました。
生徒さんの作品②
今日カキをかんさつしました。
手ざわりはつるつるでホワイトボードの車輪より大きいです。横の大きさは4センチくらいです。カキはまるで六角形のタイヤのようでした。かたさはガラスよりかたそうでした。
へたは星のような形でした。へたの色はウーロン茶のような色でした。
だんめんを4分の1に切ったカキをさかさにして、先をたたくとシーソーのようにゆれました。
図かんで調べるとカキは日本や中国で古くから育てられているそうです。
家で秋のみかくのカキを食べたいです。
【コメント】観察のときホワイトボードのそばにしゃがんでいる姿がありました。その後メモを見て、柿の大きさを比較する対象を探してくれていたことに気づきました。「六角形のタイヤのよう」「ウーロン茶のような色」といった例えの発想が豊かです。構成にも気を配って書けています。
作文レッスン「農家の減少を止めるには?」
「農家の減少を止めるには?」というテーマで、ディスカッションと作文のレッスンを行いました。
まずは新聞記事で、農家の高齢化が進んでいること、その結果農家の数が減っていることを学びます。そのうえで、「どうすれば農家の減少を止められるか」について話し合いました。とても盛り上がり、具体的なアイデアが次々と出ました。
「年をとると収穫が大変になるよね」
「高齢の人が(作業用の)機械を安く買えればいい」
「農家を30年続けた人に何かプレゼントしたらいいんじゃない?」
「ドローンをプレゼントするのはどう?」
友達の意見を聞いて追加のアイデアを提案したり、自分の意見にアイデアをもらったりするうちに、考えが自然とクリアになっていきます。
ディスカッションの後、考えを作文にまとめて、皆の前で発表しました。
「(農家の)開業記念日に農業ロボットをプレゼントする」
「球根や種を配る」
「農作業の機械が安く買えるアプリを開発する」
「長く続けた農家に、農業用のドローンを安く売る」
大人が想像していなかったたくさんのアイデアに驚かされるレッスンでした。
作文レッスン「ペンの色を分解して実験レポートを書こう」
子どもたちに大人気なのが、実験をしてレポートを書くレッスンです。
テーマは「ペンの色を分解しよう」。
ペンに含まれているさまざまな色素は、水へのとけやすさや紙へのくっつきやすさなどがそれぞれ違います。この性質を利用して実験を行います。
使うのはコーヒーフィルター、ペン、プラスチックカップなど。お家でも再現できる実験です。
実験をする前に「予想」を立てて、実験をした後に「考察」します。
サインペンの色素を分けると、予想しなかった色が出てくることもあります。色が変わると「わあ!」「すごい!」と子どもたちの歓声が上がります。

実験の後はレポートを書きます。
大切なのは、書く前の準備です。観察をしながらメモを取ります。講師は子どもたちが感じたことや考えたことを引き出し、記録するように声をかけます。
ペンの色が分解できることを利用して、最後は花火のような作品を作って家に持ち帰りました。


