勝どき作文教室の生徒さんの作品やレッスンの内容をご紹介します。
最近のレッスンから:「AIと人間」「子どもの睡眠」「因果関係を考える」
勝どき作文教室では、社会や日常のさまざまな話題をもとに、考えながら書く練習を続けています。
最近のレッスンテーマをいくつかご紹介します。AIやデータ、身近な体験など、テーマごとに思考の型を学びながら、自分の意見を文章にまとめる活動を行いました。
「AIと人間」〜先生のちがいをくらべて考える〜
「AIの先生」と「人間の先生」の2つの台本を読み比べました。
今回の台本では、AIの先生は、原因を整理して分析するタイプ。人間の先生は、気持ちを受け止めて寄り添うタイプとして描かれています。
「テストで思うような点数が取れなかったとき」や「友達とけんかをして悩んでいるとき」などの場面を通して、 それぞれの対応の違いを比べ、「どちらの先生に相談したいか」「人の言葉にはどんな力があるか」を考えました。
話し方や受け止め方のちがいに気づく教材です。
「日本の子どもの睡眠時間」〜データを使って考える〜
グラフをもとに、「日本の子どもの睡眠時間は短い?」というテーマで作文を書きました。
年齢ごとの必要な睡眠時間と、国ごとの平均睡眠時間を比べながら、 「なぜ日本の子どもの睡眠時間が短いのか」「どんな工夫で改善できそうか」を考えます。
必ずデータ(数値)を使うことを条件にしました。数字を引用して意見を述べる書き方も学びました。
中学受験で作文の試験がある場合は、特におさえておきたい内容の一つです。
「比べて書こう」〜二つをくらべて結論を出す〜
二つのものを比べながら自分の考えをまとめる練習をしました。
「一人で遊ぶのと友達と遊ぶの、どちらが好き?」「手紙で伝えるか、直接話すか」など、身近なテーマで考えました。
比較の視点を整理して、「なぜそう思うか」を筋道立てて書く練習になりました。
この回では、長い文章ではなく、短めの文章をできるだけ多く書く取り組みをしています。
「因果関係を考えて書く」〜観光客が増えた町の変化を説明する〜
「A町の観光客が増えた影響を説明しよう」という題材で、原因と結果のつながり(因果関係)を意識して書く練習をしました。
レッスン前半では、オーバーツーリズムの問題にも触れています。
課題文では 観光客が増えたことで起きた「良い変化」と「困った変化」が例として示されています。
困った変化を説明した後、筋道を立てて対策を説明する練習をしました。
その他のテーマ
他にも、以下のような教材に取り組みました。
- お気に入りの本を紹介しよう
- 日本語と英語、どちらの教育を優先すべき?
- 友達ってなんだろう?(演劇の一場面を観て考える)
- アリとキリギリスを「遊びたいキリギリス」の視点で書く
今後もこうした題材を通して、思考と表現の両方を伸ばしていきます。
体験レッスンをご希望の方はこちらをご覧ください。
【万博・コメ高騰・動物福祉】今を学ぶ作文レッスンのご紹介
勝どき作文教室では、時事問題や社会課題を取り上げながら、思考力・観察力・表現力を育てるレッスンを行っています。
中学受験をする・しないにかかわらず、時事や社会課題に触れることはとても大切だと考えています。講師が記者出身というバックグラウンドを活かし、小学生でも楽しくわかりやすく学べるよう、教材開発には特に力を入れています。6月・7月に実施したテーマの一部をご紹介します。
【時事】万博を通して世界を見る
特徴的なパビリオンを4つ取り上げ、それぞれの国や地域がなぜ出展するのか、その背景や目的にも目を向けました。特に、紛争が起きている国・地域の出展内容に着目して比較しました。また自分が担当者になったときどのようなパビリオンにしたいかも考えました。
【時事】コメの価格高騰を読み解く
コメの価格がなぜ上がったのか、備蓄米の目的とは何か、ニュース動画や記事を使って考えました。需要と供給、買い占めなどの経済的な視点を、小学生にもわかるように整理してお伝えしました。時事をもとに思考力を鍛えるこの取り組みは、中学受験対策にもつながります。
【社会課題】アニマルウェルフェア(動物福祉)を考える
「動物にとっての幸せ」とは何か、飼育方法のちがいを写真などで見ながら議論しました。命や倫理に向き合うこうしたテーマに対峙することで、自分以外の立場に立って考える力や、ものごとを多面的にとらえる姿勢が育ちます。
【観察】パッケージの工夫を見つける
商品のパッケージをじっくり観察し、「なぜこの形なのか?」「どんな工夫があるのか?」を作文にまとめました。同じものを見ても視点が異なる面白さがあり、個性あふれる作品がそろいました。観察力は記述力の土台です。
思考力・観察力をつけるレッスンテーマ
勝どき作文教室では、「思考」「観察」「文章の型」の三つの力をバランスよく育てることを目指して、さまざまなテーマでレッスンを行っています。
「思考」のレッスンでは、たとえばニュースや資料を読み取って自分の意見を組み立てる練習や、物語の続きを考える創作活動を取り入れています。
「観察」のレッスンでは、実験や工作を通じて見たこと・気づいたことを言葉にする力を養います。
「文章の型」のレッスンは独立したテーマとして実施する場合もあれば、「思考」「観察」のテーマにひもづく形で示すこともあります。
こうした三つの軸を組み合わせることで、子どもたちは「伝えたいことを整理し、読者にわかりやすく伝える力」を少しずつ育んでいきます。
主なレッスンテーマ
以下は、今年度および昨年度に扱ったテーマの一部です。身近なテーマから社会的な課題まで、幅広く取り上げています。
思考(考えるレッスン)
・トランプ関税:関税ゲームで仕組みを理解
・因果関係:売り上げアップの工夫を検証
・資料問題「近視の進行」:グラフを読み取って考察
・七草がゆを例に、食事を紹介する
・株価とニュース:株価の動きと世の中の関係を考える
・世界の習慣:抜けた歯をどうする?
・リーダーシップ:係活動をしない友達とどう向き合う?
・その他、ジェンダーバイアス、反抗期、投票、2024年のふり返りなど
観察(気づくレッスン)
・紙の輪っか、しわの伸び方、静電気などの実験
・料理を体験し、作り方を説明
・セミ・楽器・動物の音の違いを聞き分ける
・「目の錯覚」について説明する
・ツバメの暮らしを観察して書く
・防災グッズを作って説明
文章の型(構成を学ぶレッスン)
・反対意見の書き方
・説明文の構成
・感想文:筆者の思いと自分の体験・思いを重ねて書く
・対比と共通点の書き方:AとBを比べて書く
・日記や短作文で文構造の基礎を練習
時事性に富んだニュースや、ジェンダーといった社会的なテーマにも積極的に取り組んでいますが、子どもたちは真剣に受け止め、自分なりの意見を言葉にしようとしています。
レッスンを通じて、考えて書くことの楽しさを感じ、人と違ってもいいという自信が徐々についています。多様な視点が交わる教室の空気は、いつもあたたかく、刺激に満ちています。
生徒さんの作品「スポーツを見て記事を書こう」
作文では、「見たこと」「聞いたこと」を自分の観点でまとめることが大切です。観察力を鍛えるため、スポーツの短い動画を見て、自分なりに文章にまとめる練習をしました。
・どのようなスポーツか
・競技中、選手はどのような動きや表情をしているか
・競技の結果は
といった、読み手が知りたい情報を入れて書けるように取り組みました。
レッスンの前半では、新聞記事などを紹介し、競技や選手について理解を深めました。後半では、大事なポイントを何度も繰り返しスロー再生し、選手の動きをできるだけ細かくメモに取ってから作文に取り組みました。
生徒さんの作品を二つ紹介します。
※読みやすさの観点から、改行や読点などの調整を行っている場合があります。
4年生の生徒さんの作品
7月28日、パリオリンピックのスケートボード女子ストリートで吉沢恋選手が金メダルを取りました。
スケートボードとは身近なところにあるかいだんや手すりなどをおいた場所で、板を回てんさせ、ジャンプなどのわざを使ってきそうスポーツです。
吉沢選手はしせいをまっすぐにしてバランスをくずしにくくしています。その様子を観客がかたずをのんで見守っていました。わざが決まったことをかくしんして空を見上げながらよろこんでいました。
ぼくは、スケートボードは自分をきたえてくれるとくべつな物だと思いました。
【コメント】選手の動きだけでなく、動画に映り込んだ観客の様子までよく観察できています。「かたずをのんで見守る」「空を見上げながらよろこんで」といった表現から、会場の様子が伝わってきますね。「スケートボードがどのような存在か」という抽象的なテーマについても、選手のことをよく想像して書くことができました。
5年生の生徒さんの作品
北口榛花選手(26さい)は、パリオリンピックのやりなげでゆうしょうしました。記ろくは、一投目65メートル80センチです。北口榛花選手は、北海道出身で、旭川東高でやりなげをはじめました。15年の世界ユース選手権でゆうしょうし、頭角を現しました。
(中略)
北口榛花選手はやりをなげる前は落ち着いていて、やりをなげたあとは力強い表情をみせました。助走をする前に11回ジャンプをしていて、頭の横にやりをかけていました。やりをなげる時は、左足でふみきり、いっぱい体をねじっていました。やりは最初38.46度の角度でしなるように高くとび、真下に落ちていきました。
【コメント】後半の描写が特に素晴らしいです。助走してからやりが着地するまでの約15秒間をていねいに観察し、選手の動きや表情、やりの動きを表すことができています。投げる瞬間の「左足でふみきり、いっぱい体をねじって」という表現から、選手の息づかいが伝わってくるようですね。
秒単位で変わる動きを表現するのは難しいことです。ここで紹介した作品の生徒さんたちは、粘り強く観察し、自分なりの観点を表現してくれました。読むだけで、競技の様子を想像することができます。
生徒さんの作品「わたし・ぼくの枕草子」
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる」。誰もが知っている清少納言の「枕草子」を鑑賞してから、自分だけの枕草子を書きました。
レッスンの冒頭では、清少納言がどんな工夫をして風景を描写したかを考えました。レッスン後半では、自分が好きな季節を選んで、「枕草子」のように表現しました。
生徒さんの作品を二つ紹介します。
※読みやすさの観点から、改行や読点などの調整を行っている場合があります。
① 3年生の生徒さんの作品
夏はホタル。田舎で夜に外へ出ると、たくさんのホタルが光って飛びかっている。ずっと見ていると、人がランタンを持って歩いているように見える。時間がたつとやがてホタルは高く飛んでいつしかいなくなり、外は明るくなる。飛び去っていく時のすがたがとてもきれいだ。
冬は雪。雪合戦をしてあそび、かまくらを作ってきゅうけいする。ぽつぽつとふっている雪が幻想的だ。
【コメント】夏と冬、どちらも風景が目に浮かび、その場にいるかのような感覚になります。ホタルがランタンのように飛びかう様子と、ホタルが飛び去り外が明るくなった様子を対比させているところが、とても魅力的な作品です。
② 3年生の生徒さんの作品
夏は旅行。ひこうきに乗っている時はとてもウキウキする。夏休みが長いから思いっきり旅行ができていいなあ。
秋はお月見。まん月をながめながら食べるおだんごは、いつもの倍おいしい。月からおひめさまが来たらもっとうれしい。
冬は雪。赤い手ぶくろが白くそまると冬だなあと感じる。朝おきてまどを開けてやねが白くなっていると、さっぱりしていて気もちがいい。
春は進級。学年が一つ上がると心がドクドクとする。次の一年は何がおこるのかなあと。四月八日。私は赤いランドセルをせおって、さっそうと歩く。
【コメント】それぞれの季節の楽しみが伝わります。「月からおひめさまが来たら」「(進級で)心がドクドクとする」など、今ならではの感覚を、素直に豊かに表現してくれました。
大人からすれば、新学期もお月見も、毎年やってくる当たり前の出来事ですが、子どもにとっては、人生で何度目かの新鮮な体験です。もしかすると、今年の雪合戦は、自らの言葉で表現できるようになって初めての雪合戦かもしれません。
言葉にして残しておくと、子ども時代だけの感覚を後から振り返ることができます。それは、写真では残せない思い出になります。

